パンテオン、天使の建てた建物、その2

パンテオンのことを「天使が建てた建物」と言ったのはミケランジェロですが、このパンテオンのことをハドリアヌス帝はこう書いています。 images

「私の意志では、この神々の神殿によって地球と惑星の球を再現することだ。天井の大きな空洞は、光と闇を交代に見せながら、天空を顕にしなければならない。この神殿はまるで象眼儀であるかのように、交互に、神秘的に閉じられた空間であり、開いた空間として考えられなければならない。時*はギリシャの職人たちによって懸命に済まされた球の上を回っていくだろう。光の輪は金の盾のように停泊するだろう。雨は済んだ池を床に作り、神々の方に向けられる祈りは空間を煙のように昇っていくだろう。」

実際パンテオンは内部高さが43、44m、幅が43.44mで、ちょうど内部にこの直径の球が入るように作られています。ハドリアヌス帝が語るように天井の真ん中には直径8.9メートルの空に向けて開かれた大きな空洞があります。オクルスと呼ばれるこの穴から、空が見え、昼の光と夜の闇が通っていくのが見えます。この穴から陽光が入り、建物の内部を回りながら照らし出していきます。雨が降ると雨水は直接下に落ちてきて床に貯まるようになっています。祈りのために祭壇で火が焚かれ、その煙がこの穴を通して空に昇っていけるようになっています。実際祈りもまた、ハドリアヌス帝がいうように、煙と共にこの穴を通して直接天に昇っていけるような感じです。

このハドリアヌス帝の望んだ祈りの空間を実現するために、そのころ知られている限りの建築技術が応用されました。史上を通じて技術的に最高の建物の一つと言っていいものです。

建築家は多分アポロドロ ディ ダマスコだと言われています。

パンテオンの建物はプロナオスと、アヴァンコルポ(ファサーッドとロトンダをつなぐ場所)、ロトンダ(円ドームの空間)でできています。 プロナオスには16本の円柱がありますが、このうちの8本はエジプトから持ってこられた11、4メートルの壮大な花崗岩の柱です。このプロナオスの天井はかって箱細工になったブロンズで覆われていましたが、このブロンズは1626年、サン・ピエトロ教会の中央祭壇に使うために取り外されてしまいました。

かっては回廊が続く細長い広場があって、奥にこのプロナオスが開けていて、パンテオンにたどり着くまでの印象は神聖で壮大な感じだったはずです。

このプロナオスを通った後、突然壮大な空間が開けるロトンダに入った人々は、今では想像できないほど、大きな驚きにおそわれたはずです。

技術的にも特に素晴らしいのは、真ん中に穴の空いた円天井(ドーム)です。一つのブロックで作られた円天井としては現代でも例のないものです。ブルネレスキがフィレンツェのサンタマリア デル フィオーレのドームを作るまでは西洋では最も大きな円天井でした。ブルネレスキ自身、このパンテオンの円ドームを研究して、サンタマリアフィオーレの円天井を設計します。

ドームの内部はレンガで造られた骨組みがあることが、修復の時発見されました。この骨組みから重さが周りの壁の方に逃げていくようになっています。この骨組みを基にして、下部から上部に行くほど軽い石をカルチェストゥルッツォ(セメント)に混ぜていき、厚さも上部に行くほど薄くなっていきます。その中心部は実際空洞になって、重さがゼロになります。壁自体も重さを軽くするために、天井の骨組みからの重さを支えない部分は、厚い壁の重さを軽くするために、エクセドラ(凹空間)が作られます。

ローマ人はカルチェストゥルッツォと言われるセメントを使っていました。このローマ人たちの使ったセメントは現代のものに比べると硬さは何倍も弱かったのですが、持続性が強く、コロッセオなどの建物が2000年もそのまま持ち続けているのはこのためです。特にポッツォラーノと言われる火山石に火山灰を一部合わせて作ったのローマのセメントはとても強力に凝固して、特に長い時の勝負に勝つようにできています。コロッセオなどの多くのローマ時代の建物が、多くそのまま今でも持っているのはこの火山灰を使ったカルチェストゥルッツォが使われているからです。このカルチェストゥルッツォは二酸化炭素によってかたまっていく性質があり、空気に触れて硬くなります。このカルチェストゥルッツォの発明がローマの多くの壮大な建築を可能にしました。

コロッセオと並んで、最も貴重なローマ建築の一つがこのパンテオンです。

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注)*古代には過ぎていく時も人格神が司っていると考えれていました、

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筆/ヴェネチア 公認ガイド 田口やよい

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