56回期ビエンナーレ ディ ヴェネツィア/All the World’s Futures (世界全体の未来)

logo_biennale56回期ビエンナーレ ディ ヴェネツィ

期間/2015年5月9日−11月22日

テーマ/All the World’s Futures (世界全体の未来)

89の国々が参加して、第56期ビエンナーレが開催されます。マウリツィウス、モザンビコ、グレナダ、セイシェルなどの国の初めての参加に加えて、長く不在だったエクアドール、フィリピン、ガテマラなども今回再び参加します。

ビエンナーレのジャルディーニのセントラルパビリオンとアルセナーレ展示場には、53の国々からの135人のアーチストたちが参加して、159の新作が展示されます。

ビエンナーレ本拠地以外にも、他44の同時イベントがヴェネチア市内でおこなわれます。

インターナショナルエグジビション

 

パオロ バラッタ/ビエンナーレディレクター

パオロ バラッタ/ビエンナーレディレクター

ビエンナーレディレクターのパオロ バラッタ氏はこう言います。

「今日の世界は重大な亀裂と破壊を孕み、その未来は不確かだ。膨大な知識とテクノロジーの進歩に関わらず、私たちは『不安の時代』を生きている。こういう差し迫った状況の中で、ビエンナーレは、芸術と人間の現実、社会、政治との関係を観察することに戻る。

それゆえ、外界の緊迫がどのようにアーチストの感覚や、内的エネルギーとその欲求や内的な動向(inner song/内部の唄)の表現を刺激するかを探索する。ビエンナーレが、Okuwui Enwezorを呼んだのは、彼のこれらのテーマに関する独特のセンシビリティーによる。Okuwuiは、結論を出そうとは考えているわけではない。世界からいろいろな部門でのアートとアーチストを呼び、このグローバルな展示会の中で、私たち自身が、疑問を投げかけることができる …….少なくとも53の国々から来るアーチスト達の言葉に耳を傾けることができる……..  」

「ビエンナーレは120年の歴史を持っている』

「1998年に、ビエンナーレは、流行遅れだから、このパビリオンを廃止して、市場が望むアートにその地位を譲るべきだなどという考えに耳を貸さななかったことを嬉しいと思う。実際、現実の複雑さが、このような安易な危険を犯せない状況に私たちをおく。…….」

 

また今回のビエンナーレ編集を任された*Okuui Enwezor氏はこう言っています。

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Okwui Enwezor氏

Okuui Enwezorの発言

アレーナ

「1974年のビエンナーレの規定改造で、それ以前にはなかった野心的な4年単位のプロジクトが作られた。このプロジエクトの一部はチレに捧げられた。1973年にサルバトーレ アレンデ政府がピノチェト総司令官のクーデターによって倒されたチレの悲劇に、1974年、ビエンナーレは積極的に連帯を表明した。その上この年、視覚アート、映画、音楽、劇、ダンス、パーフォーマンスと、分野の違うアーチスト達を撒き入れ、そのエグジビションは街全体に広がった。この意味深い過去の一巻が今日ではほとんど忘れ去られている。」

「チレの出来事に捧げられた、ファシズムに反対したあのプロジェクトは、最も明確にビエンナーレ自身が立場を明らかにして、その規定を改革して、クーデターに反応しただけではなく、勇気を持って、自分たちの歴史的な舞台をコンテンポラリーな政治と社会と分かち合った。

今日のこの世界の状況の不安定さの中で、1974年のビエンナーレが今年の展示会のインスピレーションの元になったことはいうまでもないことだ。」

「あの意味深い、記録に満ちたイベントへの答えとして、 第56回期ビエンナーレAll the World’s Futuresは、超領域分野のプログラムスペース、『アレーナ」を、ジャルディーノのセントラルパビリオンに設ける。このプログラムの中心をなすものはマルクスの『資本論』の公開朗読だ。『資本論』は、礼拝堂のようなものだと言ってもいい。7ヶ月間に渡って、『資本論』の公開朗読は、途切れることなくずっと続けられていく」

「英国の著名なアーキテクト、David Adjayeによって、設けられたアレーナは、話される言葉の、歌の、演劇の、映画の収録の場所となり公開のディスカッションの場所になる。『資本論』はIsaac Julienの演出で、ドラマのテストのように、アクターたちによって、ビエンナーレ開催中読み続けられる。」

「『生命力、叙事詩の継続』のコンセプトに基づいて、ビエンナーレはアーチスト達に、パーフォーマンスを発注した。アレーナでは、歌の観念が探求され、ナレーションのリズムを作る『声』の可能性が探求される。」

「アルセナーレもいろいろなパーフォーマンスの居地となる。」

「Corderie(縄工場)には、Thester Gates のインスタレーションが設置される。」

スペシャル エグジビション

「これは今回全く新しい試みだが、今回のビエンナーレは一部、過去のエグジビションの作品の展示スペースを設ける。

Bruce Nauman; Walker Evans; Sergej Ejzenstejn; Isa Genzken; Terry Adkins; Alexander Kluge; Hans Haacke; Teresa Burga;t Fabio Mauri; Melvin Edwards; Marlene Dumas; Inji Efflatoun; Robert Smithson; Emily Kngwereye; Ousmane Sembène; Ricardo Brey; Adrian Piper, Tetsuya Ishida ;Georg Baselitzなどの作品が展示される。」

 

以上、パオロ バラッタ氏とオクイ エンウェゾル氏の発言の内容の概略ですが、今年は少なくとも意図的には久々に生き生きしたビエナーレが開催されるようです。

ファイナンス経済が無限に膨らんで、世界のたった1%の人々が世界の半分の財を所有する今日、貧富の差のますます激しくなる今日、マルクスに戻り、こんな結果に至った今日の資本主義をリベラリズムを芸術の行動を通じて問い直そうというのもパラッタ氏とOkuui Enwezor氏、両氏の意図のようです。

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*Okwui Enwezor (1963年生まれ、ナイジェリア美術評論家、アメリカ国籍)

コンテンポラリーアートの最も重要な展示会編集者の一人です。また美術評論家でもあります。アフリカコンテンポラリーアートの専門家。

 

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筆/ヴェネチア 公認ガイド 田口やよい

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