ヴェネチアで今までのスーツケースが使えなくなる?
少し前に、来年5月から、今までのプラスチックの車輪がついたスーツケースが使えなくなって、車輪は必ず中に空気かリキッドの入ったゴム製の輪でないと禁止される事になると、大々的に罰金の額まで明記して、ニュースが出ましたが、すぐホテルの人々などの抗議が出て、大騒ぎになりました。その数日後、代表委員のVittorio Zappalorto氏(モーゼ問題で辞職したヴェネチア前市長のあとに就任した今の実質の市長)は、ヴェネチア市は現在のところ今までのスーツケースを禁止する意思はないと宣言しました。
ニュースは何となく漏れてしまったニュースだったようで、数日で、取り消しの発表となりました。
実際、毎年二千七百万人の観光客が引きずるスースケースが、古い貴重なマゼニュオの石畳や、階段の淵の大理石などを壊し続けているのは事実で、またホテルの近くに住む人達が、夜遅く着く観光客のスーツケースの音で眠りを遮られることで、その苦情が続いているのもほんとうですが、今のところ、ゴム製でなければいけないのは、ものを運ぶ荷車だけにするということに担当の人々の意見が一致し、一応、ホテルアソシエーションなども納得したようです。
それでも、いつでも新しくすることのできるアスファルトではなく、貴重な古い石でできているヨーロッパの道、これだけ世界の人々が旅行するようになった今、少しづつスーツケースの生産段階でゴム車輪に換えていくべきですね。美しい街を見に行って、傷をつけて帰ってくるのは(一つ一つのスーツケースがつける、それ自体はミクロンの傷が、積み重なる問題なのです)今日意識的に目覚めた観光客の望むことではないはずです。
(2014年11月22日の新聞「Il Gazzettino」から
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筆/ヴェネチア 公認ガイド 田口やよい
ヴェネチア観光/ http://www.venicevisit.com
CNNの11月22日のWeb報道によると、「イタリア北部のベネチア市当局は22日までに、キャスター付きのスーツケースの使用を来年5月から禁止する方針を固めた。違反者には最大で500ユーロ(約7万3000円)の罰金を科す予定。」とありました。
田口さんの記事は、CNN報道後にベネティア市が決定を取り消したということですね。ただ、決定取り消しでこの問題が解消されたということではありません。田口さんが書いておられるとおりだと思います。
http://www.cnn.co.jp/travel/35056934.html?tag=cbox;travel