ヴェネチアカーニバルとマスケラ/その3/プルチネッラとアレッキーノ

プルチネッラとアレッキーノ

 

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ジャンドメニコ ティエポロ/綱渡りをするプルチネッラ/レッツォニコ邸 ヴェネチア

ヴェネチアのマスケラで有名なもののひとつはまたプルチネッラとアレッキーノです。

プルチネッラは、ナポリの方でも知られたマスケラですが(たぶんナポリ生まれ、ナポリの方では先の落ちる柔らかい帽子をかぶっています)、特にヴェネチアのものは、ジャンバティスタ ティエポロや息子のジャンドメニコ ティエポロが描くように、先の細まる長い円柱形の固い帽子をかぶり、ピエロのような白い服を着ています(フランスで生まれれるピエロはこのプルチネッラから生まれたとも言われます)。

鼻が鶏のくちばしのように長くて曲がっていて、鳥に似ているので、ナポリの雛(ひよこ)を指す方言Pollicino、 Pollicinelloという言葉からこの名が出てきたと言われています。

せむしや小人だったりもします。

アレッキーノは黒人で、いろいろな色の布をはぎ合わせた服を着ています。よせ集めた古布を象徴しています(昔、貧しい人々の服はよく古いいろいろな布を集めてはぎ合わせて作られました)。

アレッキーノは後期、ヴェネチアのコメディア ディ アルテ(マスケラ劇)の中では、ベルガモから来た、ずる賢い、それでも抜けたところの多い召使いのキャラクターに変化します。

もともとアレッキーノや、ザンニ、プルチネッラなどは、デーモン(悪魔)的な存在で、 闇の国からやってきたものです。後期、劇の中で召使いに同視され、デーモン的なキャラクターを失いますが、そのもとは平穏な従順な存在ではありません。この中でプルチネッラは特にミステリアスな雰囲気を失わなかったと言っていいマスケラです。

ジャンバティスタ ティエポロは、憑かれたようにプルチネッラのデッサンをたくさん描きます。息子ジャンドメニコも、スペインから帰ってきたあと、父親のジャンバティスタと共に購入したメストレの奥の自宅の装飾の壁画に、アレッキーノではなくプルチネッラを選びます。

レッツォニコ邸の中に、プルチネッラが所狭しと四方の壁に描かれたこのジャンドメニコのフレスコ画の部屋があります(かってのティエポロ達の家の壁画は、今ここに移されています)。プルチネッラは人間に似た人間に近い存在、それでも無名で、どれほどでも生まれ、どれほどでも自己複数化できる存在です。こんな存在が取って代わる時代、そんな時代が近づいているような予感を持って、ジャンドメニコが描いたこの部屋の中に立つと、ふとなんとなくある種の不安感にも襲われます。この部屋の中にいると、プルチネッラが闇の存在であることに納得がいきます。

ジャンドメニコにがこのフレスコ画を描いていた時、ヴェネチア共和国の終わりはもうすぐそこに来ていました。

関連記事/ヴェネチアカーニバルとマスケラ(その1)、ヴェネチアカーニバルとマスケラ(その2)
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アレッキーノ/イメージ http://cineuropa.org/nw.aspx?t=newsdetail&l=it&did=244163

 

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筆/ヴェネチア 公認ガイド 田口やよい

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プルチネッラの部屋/ジャンドメニコ ティエポロ/レツォにコ邸ヴェネチア

プルチネッラの部屋/ジャンドメニコ ティエポロ/レツォ二コ邸/ヴェネチア