ヴェネチアカーニバルとマスケラ(その2)/バウータ

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ピエトロ ロンギ 「画家のアテリエ」(一部)/レッツォニコ邸

ヴェネチアカーニバルとマスケラ(その2)バウータ

ヴェネチアのマスケラの中でも特に有名なマスケラ(仮面)はなんといってもバウータです。

バウータは正確には、タバロというベールと、トゥリコルノ(三つの角)といわれる帽子、白い仮面の仮装のことをさします。

ヴェネチア共和国の時代バウータはカーニバルのときだけではなくいろいろな機会に使われました。女性も男性も区別なく、また貴族も民衆もこのバウータの仮装をしました。特に貴族はカジノ(リドット)に行くときとか、また女性が劇場に行く時には、必ず使ったものです。特にタバロには貴重なレースが使われたりしました。このタバロの下にまたマントを着たりしたりすると、身分を完全に隠すことができ、この無名性のために、風紀が乱れるもとになったりしましたので、マスケラをつけることができる時間を午後からだけにしたり、共和国は何度も法律で使用を規制しようとします。

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ピエトロ ロンギ /レッツォニコ邸

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ゴンブリッジ 「マスカレ」        コーレル美術館

 

 

 

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バウータはヴェネチアだけのマスケラです。白い色で、鼻は普通小さくて、口が出ています。

特に1700年代前半はこのバウータをつける習慣が広範に広がります。もともと性別のないマスケラとして生まれ、この下にアイデンティティーを隠すには絶好のものでした。

修道士長キヤーリ(abate Chiari)はこんな詩を書いています。 IMG_2324

 

こういう神秘で奥深い飾り物は(マスケラ)

とても役に立つ、人を陽気にさせる

顔だけではなく心も隠してしまう

醜いものを美しくし、白いものを黒に変えてしまう

カーニバル、この陽気な時間を

一年中にのばしたいものだ

年も性格も性別も隠してしまって、

誰でもなくなって、無名になって、自分を騙すことができる

(一部/修道士長キヤーリ  「神々の仮装」1759年)

 

ガスパレ ゴッツィ(Gaspare Gozzi)は、「オセルバトーレ ヴェネト」(1761-62)に、「いったいどこの街に自分がいるのかわからない。道や広場はみんな白いマスケラをして、同じ格好をしていた人でいっぱいで、男も女もみんな区別のつかない同じ顔をしている。」と、カフカの世界にいるような感じでこの頃のヴェネチアを語っています。

他のマスケラは他の地方にもあるものがありますが、このバウータはヴェネチアだけのものヴェネチアで生まれたヴェネチアを代表するマスケラです。そういう意味で、単に歴史のある一時期使われたマスケラというよりはヴェネチアのエッセンスをも含んだマスケラです。世紀を通じて生き延びてきたように、今でもバウータ仮面はその神秘さに満ちています。古い隠されたヴェネチアの秘密を握っているかのように、街の店のショーウィンドーに時々黙り込んで列んでいます。人通りの絶えないヴェネチアの店先でバウータは、通り過ぎる人を見るともなく見ては、沈黙を続けています。

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筆/ヴェネチア 公認ガイド 田口やよい

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