グラッシ邸、ピノーコレクション/ ヴェネチア

ヴェネツィア観光 ここをクリック

4月13日-12月31日 2014年

エグジビション 「光の幻想」ピノ–コレクション

IMG_1498

Vidya Gastaldon インスタレーション レインボー レイン

「光の幻想」、グラッシ邸の今回のピノーコレクション全体のタイトルです。

そして、*Doug Wheeler の「光の幻想」が 最初の作品で、最初のホールにこれが設置されていて、まず、入ってきた人々をすぐ深い驚きの中へと誘います。

最初のインスタレーション、「光の幻想」の中に入る前は、深い靄に閉ざされた空間がそこに広がっているような気がします。係の人は何気なく、床がカーブするところまでは進んでいいよと言います。周りも見えなくて、少し怖い感じもしますが、進んでみます。一寸先も見えない場所を、足を置く場所に気をつけながら、おそるおそる進んでいきます。

ふと気付くともうカーブで、それ以上は進めません。道を見失ってしまった感じです。それでも周りの人々の姿ははっきり見えるのに気付きます。

初めて、自分のイルージョンがこの空間を作っていたのに気付きます。それは単なる白だけのカーブした空間であることに気付きます。

これがわかったあとも驚きは消えません。イルージョンが冷めることがないので、再び驚いてしまいます。

こんな体験が、コンテポラーリー美術の一番楽しくもあり、考えさせられる所でもあります。

ルネッサンスは、空間の中に神に真理があると信じました。この空間を実現する所に神は、真理は現れると信じたのです。絵画の中でも見る人からの完全な遠近法を応用した空間を実現することで、そこに神の真理が現れると考えました。コンテポラリーアートはこのような真理の破戒の歴史と言ってもいい訳です。その後、理性が真理の地位を獲得し、当然の結果として受け入れられてきた、整然とした世界の視点が、たとえば、キュービスムで、多くの視点に分解され、絵画の中の拠点が分解されます。あるいは、外部の空間ではなく、無意識の空間が描かれるようになったり(シュールレアリズム)、絵が画家のその行動の一瞬の跡だけになったり(アクションペインティング)、あるいは、画布が切られて、絵自身の空間さえ否定されます。彫刻の世界では、ロダンまでは存在していた、疑う余地のなかった彫刻自身が存在すべき空間も否定されていきます。

空間との関係は、アートの中で、深い意味を含んでいます。

この真っ白な空間の中で体験する不安さは、この固定した視点のない、無数の変わりやすい条件の中に放り出された現代人の存在にも似ています。

それぞれの人の体験のあとの結論は違いますが、こんな、体でできる体験が、コンテポラーリー美術の一番楽しくもあり、深く考えさせられる所でもあります。

他の作品も見る価値のある楽しいものです。

見終わった人が、係の人に「いやあ、クリエーティブですね!驚かされました。」と言いながら、出て行くのに出会いました。

(他にもプンタデッラドガーナで、ピーノーコレクションを見られます。/関連記事/プンタ デッラ ドガーナ/カテゴリー ヴェネツィアいろいろ)

Doug Wheeler の作品の外側の構造、(アーチストは写真を禁止していますので、作品自体は写真を撮れませんでした)

Doug Wheeler の「光の幻想」の外側の構造、(アーチストは写真を禁止していますので、作品自体は写真が撮れません)

IMG_1499

Bertrand Lavier 「 IFAIFA III」 (2003)

David Claerbout (1969-) 「石油労働者」 3Dイメージのテクニックを使い、静的な写真と動く水のコントラストを使ってます。

David Claerbout (1969-)
「石油労働者」
3Dイメージのテクニックを使い、写真の不動性と実際流れているように見える水の動きとのコントラストが、面白いものです。

 

*Doug Wheeler 1939年にアリゾナに生まれ、ニューメキシコに住み活躍しているアーチスト。特に、メキシコとの境の、砂漠での体験が彼の芸術に大きく影響を与えていると言われている。1960年代70年代にロサンジェルスを中心に活躍した、「ライトとスペースムーブメント」の一員。

 

 

 

筆/ヴェネチア 公認ガイド 田口やよい

ヴェネチア観光/         http://www.venicevisit.com

ホームページ他の記事を見る/

http://italiavenezianewsblog.wordpress.com

(ホームページ他の記事をみる)