モーゼと汚職スキャンダル

Unknown-1モーゼ工事に関するスキャンダルは、もう既に、去年あたりから知られていますが、今回100人の人々が、汚職で訴えられ、35人が検挙されました。そのうちの一人はヴェニスの市長、Orsoni氏、もう一人の、重要人物は、Giancarlo Galan ヴェネト県前知事です。このGalan氏の場合には、逮捕に国会の許可がいりますので、まだ逮捕されていませんが、他にも税務署の重要人物、水路管理事務局の長なども、含まれていて、ものすごく大きなスケールのスキャンダル問題が、今、ヴェニス政権を揺るがしています。ヴェニスだけではなく、ここ25年に渡って、ほどんど独占を誇ってきた、政治と密着しているイタリア全体の国の大規模工事配分システムが、今揺れ動いています。約2年に渡る緻密なヴェニスの検察庁の調査結果です。

Consorzio Venezia Nuova という政権と密着しているアソシエーションが、1980年代から、今まで、独占的にありとあらゆる仕事を配分してきました。これに対して批判は何度も出ましたが、あまりにも権力の強いグループで現在まで、敵がいなかったと言っていいわけです。この権力がお金と汚職の上に築かれたものであると言うことが、今、モーゼの問題だけではなく、エキスポや、TAV高速鉄道工事など、あらゆる莫大なスケールの工事に関して、明らかになりつつあります。

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今日の新聞のTomaso Montanariの記事が興味深いので、一部を訳します。.

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1000年に渡って、ヴェネツィア共和国は、国を取り巻いている領地としてのラグーナのデリケートなバランスを守ってきた。自然では、ラグーナは限られた生を持っている。川が強くなれば、陸地から持ち来られる砂土で、泥沼になり、海が勝てば、湾や入り江になってしま う。

ヴェネツィア人はこのラグーナは、自然の盾として、陸からも海からもヴェニスを守るということをすぐ理解した。いろいろな討議がおこなわれた。有名なのは、16世紀のAlvise Cornaoのもので、ラグーナを埋め立てる説を出し、しかしこれに反対してCristoforo Sabbadinoは、メントナンスを続けながらラグーナを守ることに成功した。こうして、ヴェニスの歴史は、-Piero Bevilacqua はこう書いている- ラグーナの環境を保護する政府の歴史だった。

しかしこの歴史はイタリア統一と共に、壊れ、特にここ40年間の悪政で、完全に破壊されてしまったといっていい。大型船を(クルーズ船、商船)を入れるために、ラグーナの底を掘り、既にある運河は深められた。それと同時に、世紀を通じてなされてきた、ラグーナのメントナンスは見捨てられた。

結果は、アクアアルタの、1966年の大洪水を頭にするアブノーマルな増加だ。この大きなショックが、ヴェニスに二つの道のどちらかを選ぶことを余儀なくした: 再び、ラグーナ保護の政府に戻るか、アドリア海に浸食されてしまうか、どちらか。

この時、三つ目の案が出た。モーゼだった。この案が、責任と消費のどちらかを選ぶことを避けることができる道だった。この案と言うのは、最終的に、最後まで、ラグーナを犯し続け、それに対して、大きなメカニックな弁膜を作ると言う説だった。まるで、心臓マヒの危険性のある患者に、どんなダイエットもさせず、運動も進めず、あらゆる運命を心臓手術に賭けるようなものだ。この場合、医者が不能だというよりは、なにか奥に彼らにとって利益のある意図があるとしか考えられない。それで、この医師達が、監獄に送られる事になっても驚く人はいない。

ヴェニスの救済は、高額のこのメカニズムを実現することだけが目的の、プライベート企業にまかされてしまった。モーゼのことだ。それをコントロールするはずの機関も、コントロールではなく、プライベートな利益を守る承認機関に変わってしまった。

このようなヴェニスの自殺行為は、毎日、カンニバリズム的なツーリズムに売春を続け、千片に、崩れていくベニスを見ていないがぎり、説明は難しい。毎日住民の減っていく中で(現在59000人、1950年代の三分の一、1590年代の半分)、大型船を停めることが、まったく不可能に見える中で、何千という難しさの中で、戦いを続けている人々がいる。Italia Nostra だ。ヴェニスの死に反対する、唯一の勇気のある声だ。一年前にモーゼの汚職について、公に訴えた声だ。ヴェニスのモニュメント管理局長Cordelloは、大型客船に公に反対する、ドイツ商館をコマーシャルセンターに換えようとしているベネトンへの許可に反対する、大運河のSanta Chiara hotel 建設に(検事によると、Giacarlo Galan の秘書がこの許可に関しての賄賂を受け取った)反対するItalia Nostraを訴えた。Cordelloは、弁護士として、誰を選んだだろうか。Consorzio Venezia Nuova の、モーゼをコントロールする同じ弁護士だ。

これをみても、ラグーナを清掃するのは至難の業のようだ。

(il fatto quotidianoの記事から)

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共和国の時代は、水路に許可なしに少しでも手を付ける人々は、厳しく罰せられました。ヴェネチアは、長い世紀にあたって、水との共存を命のように守ってきました。

記事にもあるように、共和国が終わって、この深い知識が失われ、ヴェネチアを日常生活と観光のためだけに搾取する政策が取られるようになりました。

ラグーナについて、またそのうち書きますが、この独特の環境に、人工の手が大きく加えられ、またモーターエンジン船が、今では一カ所で1分間に100船以上通り(この前数えてみました)、その上、巨大なクルーズ船が入り、ラグーナの深い海化は、前以上に速いスピードで進んでいます。その波の荒さ、岸の痛みなどは、そばで見ると、まさにヴェニスの未来が怖くなるほどです。もっと恐ろしいのは下の方の見えない部分の破壊です。

クルーズ船に関しては、ディスカッションの余地もないものです。歴史的に有名などの街も、ローマ、フィレンツェなど、街の中心地まで、車で乗り入れることはできません。なぜヴェネツィアだけが、サンマルコ広場のすぐそばを通って入れるのかと考えてみれば、すぐわかる話なのですが、特に、クルーズ船の停まる港を指揮している政治家は(ここでは名前は出しませんが、有名な人です)、利害的にも深くこの寄港、マリッティマに関連していて、権力のある人で、まだ、何一つ、実際の手は打たれていないようです。あるいは、この政治家に関する人々の利益になる、Contortaといわれる運河を掘ることを提案しています。また一つ運河がこのラグーナに掘られる事になる訳です。環境保護者達の大きな反対を受けていますが、今どう決定されるかは、今回のスキャンダル問題が今後影響するかもしれません。

 

多くの世界の街を見ましたが、毎日この街を見ていますが(毎日感動させてくれる街です)、これは、ほんとうにまれな独特の歴史と文化と独特の自然が作った奇跡の街、それゆえ危うい街です。世界の多くの人々がこの過去が残してくれた遺産の無限の貴重さとその危うさに気付くことが、たぶんこの街を救う唯一の道です。

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筆/ヴェネチア ライセンスガイド

田口やよい

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  1. nyokota 8 6月 2014